PRODUCT 公開プロダクト
月ポスター
2種類の月面全球地図を作成し,公開しています.広報・教育の場などにお役立てください.
月の標高は,月の平均半径(1,737.4km)からの相対高度で表記されます.海と呼ばれる表側の黒い地域(下の疑似カラーマップ参照)は,周辺よりも滑らかで相対的に標高が低く,反対に高地と呼ばれる明るい地域はクレータと呼ばれる陥没穴が多く,ごつごつしていて標高が相対的に高い,という特徴があります.また,低・中緯度域マップの下両端の非常に標高が低い地域は,エイトケン盆地と呼ばれ,太陽系最大のクレータだと言われています. これらの標高データは,日本の月探査衛星「かぐや」に搭載された地形カメラと,米国の月探査衛星「ルナー・ルコネッサンスオービター」に搭載されているレーザー高度計の観測データを元に作られています.
肉眼で見るとほとんど白黒にしか見えない月も,波長を分けて観測すると様々な色が見えてきます.月の海(表側の黒っぽい領域)の中に,更に暗い領域と,やや緑がかった領域があります.黒っぽい領域はチタン含有量が多く,他の海よりも光を反射しません.一方,月の高地(ブラウン色の海よりやや明るい領域)には,更に明るく放射状に広がる模様が見えます.これは,比較的新しい時代にできたクレータのエジェクタ(隕石衝突時に削剥・放出される堆積物)です.宇宙風化作用によって,時間とともにこの表面の明るい色が失われていきます. これらの反射率データは,日本の月探査衛星「かぐや」に搭載されたマルチバンドイメージャと,米国の月探査衛星「ルナー・ルコネッサンスオービター」に搭載されている広角カメラの観測データを元に作られています.