PRODUCT 公開プロダクト

月ポスター

2種類の月面全球地図を作成し,公開しています.広報・教育の場などにお役立てください.

月の標高は,月の平均半径(1,737.4km)からの相対高度で表記されます.海と呼ばれる表側の黒い地域(下の疑似カラーマップ参照)は,周辺よりも滑らかで相対的に標高が低く,反対に高地と呼ばれる明るい地域はクレータと呼ばれる陥没穴が多く,ごつごつしていて標高が相対的に高い,という特徴があります.また,低・中緯度域マップの下両端の非常に標高が低い地域は,エイトケン盆地と呼ばれ,太陽系最大のクレータだと言われています. これらの標高データは,日本の月探査衛星「かぐや」に搭載された地形カメラと,米国の月探査衛星「ルナー・ルコネッサンスオービター」に搭載されているレーザー高度計の観測データを元に作られています.

月の標高図
図1:月の標高図.それぞれ,表側を中心とする北緯70°から南緯70°の低・中緯度域(上),北緯70°から北極点までの北極域(左下),および南緯70°から南極点までの南極域(右下)を示す. 地形凡例,縮尺,標高カラーランプ,3地域および全球の標高ヒストグラムを中央下に示す.(大画像高精細画像 156MiB

肉眼で見るとほとんど白黒にしか見えない月も,波長を分けて観測すると様々な色が見えてきます.月の海(表側の黒っぽい領域)の中に,更に暗い領域と,やや緑がかった領域があります.黒っぽい領域はチタン含有量が多く,他の海よりも光を反射しません.一方,月の高地(ブラウン色の海よりやや明るい領域)には,更に明るく放射状に広がる模様が見えます.これは,比較的新しい時代にできたクレータのエジェクタ(隕石衝突時に削剥・放出される堆積物)です.宇宙風化作用によって,時間とともにこの表面の明るい色が失われていきます. これらの反射率データは,日本の月探査衛星「かぐや」に搭載されたマルチバンドイメージャと,米国の月探査衛星「ルナー・ルコネッサンスオービター」に搭載されている広角カメラの観測データを元に作られています.

月の疑似カラーマップ
図2:月の疑似カラーマップ.3つの波長(950nm,750nm,415nm)での反射率をそれぞれ,赤・緑・青に割り振った合成色を使用. 表側を中心とする北緯70°から南緯70°の低・中緯度域(上),北緯70°から北極点までの北極域(左下),および南緯70°から南極点までの南極域(右下)を示す. 地形凡例,縮尺,波長ごとの全球ヒストグラム,月の高地および海の平均スペクトル,アポロ計画で持ち帰られた,高地と海の代表的な岩石サンプルとその成分,を中央下に示す.(大画像高精細画像 158MiB
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